営業マン必見!クロージングがうまい人の意識するポイントと心理学

クロージングは商談結果を握る大事な部分です。どれだけいい商材で丁寧に説明しても契約や購入に繋がらなければ意味がありません。この記事では商談の成否を握るクロージングを例文込みで紹介します。商材や状況に合わせて使い分けてみてください。

種類別クロージングの例文9選

9種類のクロージングを紹介していきます。顧客や商材に合わせて使い分けるのはもちろんですが、自分に合うものを見つけることも大事です。

  • 沈黙するクロージング
  • 想像させるクロージング
  • 選択させるクロージング
  • 部分契約のクロージング
  • 背中を押すクロージング
  • 情報整理するクロージング
  • 評価をしてもらうクロージング
  • お試し利用のクロージング

沈黙するクロージング

文字通りクロージングの際に話すのをやめて沈黙するということですが、この目的は相手に考える時間を与えることにあります。何を考えて欲しいのかを明確にしたうえで沈黙し、相手に考える時間を与え返答を待ちましょう。良いと思うところや悪いと感じるを顧客が考えてくれるため、そこから訴求ポイントが見つかります。

営業「弊社の商品についてお話させていただきましたが、○○様はどう感じられますか?」

営業「…(沈黙し返答を待つ)」

顧客「そうですね….(考え中)」

営業「…」

顧客「○○な点は良いと思いますが、××な点でネックになってきます」

想像させるクロージング

購入後や導入後の状況を想像してもらうことで、商品への熱量を高めるクロージングです。実際に使ってもらうことで得られるメリットを想像させることが重要になってきます。

営業「ご説明させていただいた〇〇ですが、御社で導入いただいた場合どのようなときにご活用いただけそうでしょうか」

顧客「~~~の時に活用できそうです」

営業「ありがとうございます!他社様だと○○な状況でも使えるとお聞きしますが、御社ではいかがですか」

顧客「たしかにその状況でも使えそうですね」

選択させるクロージング

商品やサービスに種類がある場合には選択肢を与えるクロージングが効果的です。選択肢を提示することで、買うか買わないかではなく、どの商品・サービスにするかという思考に切り替えることができます。しかし選択肢は8つ以内にとどめておきましょう。選択肢が多すぎると選ぶところで労力を使わせてしまい、逆効果になります。

営業「説明させていただいた商材ですが、AプランとBプランですとどちらがよさそうでしょうか」

顧客「そうですね….Aの方があってそうです」

営業「なるほど、ありがとうございます。確かにお客様にはAプランの方がメリットが大きいかもしれませんね!それではAプランについてより詳しく…」

部分契約のクロージング

購入について触れる前に、無料の部分のみ先に進めるクロージングです。例えば、注文書だけ先にもらったり基本契約だけ先にしてもらうなどコストがかからない部分だけ先に済ませることで購入や成約のハードルを下げることができます。

①営業「ご案内した商品にご理解いただけましたら、発注の手配だけさせていただきたいので注文書だけご記入いただけますでしょうか」

②営業「今であれば私の方でフォローができますので、ご登録だけ料金が発生しないご登録だけお願いできますでしょうか」

背中を押すクロージング

これは顧客が商品やサービスについて悪い印象を持っていない状況に限りますが、悩んでいるお客様の背中を押すクロージングになります。お客様が悩んでいるときは”現状維持バイアス”が働いて契約に至らないことが多いです。そんなときは「ぜひやってみましょう!」と言い切って方向性を固めていきましょう。

営業「ここまでお話させていただきましたが、本サービスのご導入はいかがでしょうか」

顧客「そうですね…(悩み中)」

営業「お悩みということはメリットを感じていらっしゃるところもあるかと思います!利用してみないと良し悪しのご判断ができないこともありますし、一度使ってみてください!」

情報整理するクロージング

商談内容をまとめて、メリットとデメリットを明確に提示するクロージングです。情報を整理して伝えることで顧客は判断がしやすくなります。

営業「商品についての説明は以上になりますが、要するに御社へは○○なメリットがありますが、××な注意点もございます、いかがでしょうか。」

評価をしてもらうクロージング

一通りの説明をした後に顧客に評価してもらうクロージングです。○or△or✕を提示して選んでもらいましょう。基本的に△や✕は言いづらいので○と言ってもらい、それを利用して成約に繋げます。△や✕をいただいたとしても、課題や疑問点の発見に繋がるので非常に有用なクロージングです。

営業「ご説明は以上になりますが、ここまでお話を聞いていただいてこの商品は○△✕ のどちらになりますか?」

顧客「○ですね」

営業「ありがとうございます!良いと感じていただけて嬉しいです。それでは具体的なご購入のお話に移らせて頂きたいのですが…」

お試し利用のクロージング

無料版やお試し版があればそちらに誘導するクロージングです。アプリであればダウンロード、設備であれば仮設置などすることで導入コストを下げ、「せっかくここまで使ってみたから」という顧客の心理を生み出します。ペットショップなどで子犬を1週間程度お試しでレンタルするなどで利用されています。

営業「無料でお試しいただけますし、お使いいただければすぐにご判断いただけるものでしたので!」

テストクロージングの例文3選

テストクロージングとは、クロージングに入る前に購入する意思の有無や課題感を確かめることです。クロージングが商談の最後に行うのに対して、テストクロージングは商談中に行います。商談への熱量を高め、クロージングで成約に繋がる確率を高めるためにとても重要なのでしっかり意識していきましょう。

  • 購入理由を尋ねるテストクロージング
  • 価格への認識を確認するテストクロージング
  • 現在のニーズを確認するテストクロージング

購入理由を尋ねるテストクロージング

商品の購入理由を聞くことで、顧客に課題感を連想してもらい、商品への関心が高まります。

「今回ご検討いただいたのはどういったご理由がありましたか?」

「弊社のサービスにご興味をもってくださったきっかけは何でしたか?」

価格への認識を確認するテストクロージング

価格感は商談の大きな障壁になってきます。クロージングの時に価格を理由に断られてしまう前に確認しておきましょう。

「ご要望に沿うご提案であれば、購入したいと思いますか?」

「この商品価格に対してどのような印象をお持ちですか?」

現在のニーズを確認するテストクロージング

クロージング前に行う最後のテストクロージングになります。ここで課題があった場合は無理にクロージングに移行せず、しっかりとヒアリングを行いましょう。

「ご契約にあたって、最後に気になる点はございますか?」

「ご不明点などなければ、ご契約に関するお話を進めてもよろしいでしょうか?」

クロージングが上手い人が意識しているポイント5選

ここからはクロージングについて例文は理解できたが、さらに上達したい方向けに、商談上手な営業の特徴をお伝えします。この内容を意識するだけで他人と大きな差をつけることができます。

  • 沈黙を遮らない
  • 過度に不安・不信感を与えない
  • 安易に値下げをしない
  • ドアインザフェイスを利用する
  • YES BUT法/YES AND法を使う

沈黙を遮らない

例文にもありましたが、沈黙を遮ってはいけません。気まずさを感じる方もいますが、沈黙は別名ゴールデンサイレンスとも言い、顧客が商品について考えている時間になります。話したい気持ちをぐっと抑えて顧客が考える時間を作ってあげましょう。そうすることで顧客の正直な気持ちを聞き出せます。

過度に不安・不信感を与えない

クロージングをする際に顧客の購買意欲を煽るために不安を煽ってしまう営業がいますが、やり過ぎは逆効果です。騙されているかもしれないと不安な気持ちになったり、自身を否定されていると感じてしまい商談が中止してしまう恐れがあります。あくまで冷静に判断できる状況を作りましょう。

安易に値下げをしない

安易に値下げをするのは、商談においてほぼ逆効果になるといっても過言ではありません。簡単に値下げできるということは「今まで過剰に高い値段だったのでは?」と思われ不信感を生んでしまう恐れがあります。自身の扱う商材に自信を持って簡単に値下げをすることはないようにしましょう。

ドアインザフェイスを利用する

ドアインザフェイスとは、「大きな要求」をして断られたあとに「小さな要求」をすることで、承諾してもらいやすくなる交渉術です。**一度断ってもらうというところが重要で、一度拒否したことで罪悪感が生まれるため、次の要求を呑んでしまうことがあります。**罪悪感を利用した訴求のため、交渉術としては効果的です。

営業「ご説明させていただいた商品ですが、ご契約いただけますでしょうか?」

顧客「うーん、その商品は大丈夫です…」

営業「では価格の安いこちらの商品だけでもいかがでしょうか」

顧客「…じゃあそれだけお願いしようかな」

YES BUT法/YES AND法を使う

YES BUT法は相手の意見に共感しながら議論を進めるクッション話法です。顧客の発言に対して、「Yes」で共感します。意見を受け止めたうえで、「ですが○○ならどうでしょう?」というように「BUT」で切り返します。

顧客「サービスの価格がネックです」

営業「そうですよね…ただこの商品にはこのようなメリットがあります」

YES AND法は顧客の意見を踏まえながら切り返していく話法です。先ほどのBUT(ですが…)をAND(実は…)に変えるだけですが大きく印象が変わってきます。

顧客「サービスの価格がネックです」

営業「そうですよね…実はお客様のご予算に合ったプランもございます」

クロージングに使える心理学5選

クロージングには心理学が応用できます。心理学や行動経済学の中には営業に生かせるものが多くありますが、今回はクロージングに活かせるものを5つ紹介いたします。

  • 傾聴
  • 自己開示
  • 返報性の法則
  • 損失回避の法則
  • イエスセット

傾聴

傾聴とは人の話をよく聴くことです。人間は誰でも「自分の話を聞いてほしい」という欲求を持っています。顧客の話をよく聴くことによって安心感や信用を得ることができます。自分の商品を知ってほしいあまりに話しすぎるのは逆効果です。自分の話をする前に、まずは相手の話を聴き信頼関係を築いてから商談に移るよう心がけましょう。

自己開示

自己開示は、自分の身内話や好きなことなどを相手にさらけ出すことです。自分のことをさらけ出すことで顧客に安心感をあたえ、距離を縮めることができます。

返報性の法則

返報性の法則も営業ではよく実践される心理学テクニックです。人は好意を抱いてくれる人に対してお返ししたくなる心理を持っています。自己開示をすることで、「ここまで話してくれるなら、何かお返ししなくては…」と無意識に考えるようになります。こちらに好意的になってもらえれば、自然と相手から話を聴いてくれるようになります。

損失回避の法則

損失回避とは損をすることを避けようとする人間の性質です。今この商品・サービスを逃してはいけないと思わせたり、「ここまで話を聞いたんだから…」「基本契約までしたんだから…」「せっかく無料プランで導入してみたから…」と思わせることで契約・購入を促します。

イエスセット

イエスセットとは何度もYESと回答していると次の質問でもイエスと回答してしまうという心理学に基づいた商談テクニックです。これは一貫性の法則という心理学に基づいていて、行動・思考・態度を一貫させたいという人間の心理によるものです。YESと回答できる質問を5回~10回程度投げた後に、契約についての質問を投げることで良い返事をもらえる確率が大幅に上がります。

①誰でもYesと返ってくる質問

「もう春ですね」

「 そろそろ長期休暇ですね」

「今日は天気がいいですね」

②すでに合意があるうえでYesと返ってくる質問

「お仕事は○○でしたよね」

「○○がご趣味でしたよね」

「○○には良く行かれるんですよね」

<実際の会話事例>

営業「もう寒い季節ですね」→ YES

営業「こんなに寒いとコートとかも必要ですよね」→ YES

営業「寒いからどうしてもエアコンとかつけちゃいますよね」→ YES

営業「やっぱり電気代とか気にされちゃいますか」→ YES

営業「実は今その電気代を節約できるプランがありまして」

クロージング前後にやっておきたいこと

クロージング前後にしておくことは2点あります。特にBANT情報を事前に取得しておけばクロージングの手掛かりになり得ますのでできるだけ把握しておくといいでしょう。

  • BANT情報の確認
  • 追いメールを送る

BANT情報の確認

BANT(バント)情報とは、以下の4つの頭文字を取ったものです。

①Budget(予算):プロジェクトの予算

②Authority(決裁):導入を決定する決裁者や決裁プロセス

③Needs(需要):企業にとっての需要やニーズ

④Timeframe(導入時期):いつからいつまで必要なのか

どれも成約に密接する大切な要素です。クロージングした際には上記の4点を理由に断られないようにしっかりと把握したうえでそれに見合ったクロージングを行いましょう。

追いメールを送る

クロージングで確認した内容や契約内容、ネクストアクションを明確にしたメールを必ず送りましょう。

<例文>

○○株式会社

○○様

お世話になっております。

××株式会社の××でございます。

本日は△△のご案内のお時間をいただき、誠にありがとうございました。

本日ご案内させていただいた△△導入のご検討が〇日頃に終わるとのことでしたので、〇日後に改めてご連絡させていただきます。

本日ご紹介させていただいた△△の資料をメールに添付しておりますので、こちらもご参考になさってください。

ご質問やご不明点がありましたら、メールでもお電話でもお気軽にご連絡くださいませ。

それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

まとめ

クロージングの例文や上手な人の特徴、ポイントについてご紹介させていただきました。クロージングは商談の結果を左右する大事なものなのでしっかり対策し受注に繋げていきましょう!

当社、株式会社Sales and Innovation Japanでは営業代行事業をしており、上場企業の新規事業の立ち上げなど数多くの企業様を支援させていただいております。

営業について不安がある方はこちらの問い合わせフォームからご相談も承っておりますのでお気軽にご連絡下さい。

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