テレアポとは?得られるメリットや他の営業との違い、上手い人の特徴まで徹底解説!

テレアポは電話を通じて商談の約束を取り付ける営業手法として、多くの企業で長年活用されてきました。しかし、最近ではデジタルマーケティングの台頭やより効果的に見える営業施策の登場により、時代遅れと思われてしまうケースも少なくありません。この記事では、テレアポのメリットや現代のビジネス環境における効果的な実施方法について解説していきます。

テレアポとは電話でアポイントを取る業務

テレアポとは、電話をすることでアポイントを取る業務のことです。主な役割は、架電して商談や面談のアポイントを獲得することにあります。

一般的には、マーケティング部や営業部から供給されたリストから1日100件程度の架電を行い、1~3件程度のアポイントを獲得する、という業務です。

テレアポは、即時的な営業成績への貢献や新規顧客開拓に重要な役割を果たします。そのため、多くの企業が製品やサービスの紹介、セミナーへの招待など、様々な目的でテレアポを活用しているのです。

テレアポとコールセンター・インサイドセールスとの違い

テレアポ、コールセンター、インサイドセールスの概要と違いを以下の表にまとめてみました。

項目テレアポコールセンターインサイドセールス
主な業務アポイント取得問い合わせ対応、販売促進リード育成、商談化
対応手段主に電話電話、メール電話、メール、SNSなど
目的商談・接触機会の創出顧客サポート、販売見込み客育成、一部商談
スキル要求基本的営業スキル顧客対応力、事務処理能力高度な営業スキル、商品知識

コールセンターとの違い

コールセンターの業務は、テレアポと一部重なる部分がありますが、いくつかの違いがあります。コールセンターでは、顧客からの問い合わせに対応するインバウンド業務も行っています。また、それに伴う事務処理も重要な仕事の一つとなっているでしょう。

アウトバウンド営業で、こちらから架電をする場合に関しては、テレアポとコールセンターの業務内容は類似している面があります。ただし、コールセンターではより幅広い顧客対応が求められる傾向にあるため、その点で違いがあると言えるでしょう。

インサイドセールスとの違い

インサイドセールスとは、社内から行う営業活動のことで、テレアポよりも広範囲な業務を担当しています。主な違いとして、リード育成も担っている点が挙げられます。

単にアポイントを取るだけでなく、メールやフォームなど様々な手段を駆使して、成約につながるような質の高いアポイントを獲得することが目標となっています。

また、インサイドセールスでは、顧客のニーズや課題をより深く理解した状態でフィールドセールスにトスアップすることが目的になっているため、多岐にわたるヒアリング項目を設定していることも特徴的です。顧客との関係性構築に重点を置いており、長期的な視点で営業活動を展開しているといえるでしょう。

商材によっては、インサイドセールスがクロージングまで対応する場合もあり、テレアポに比べてより営業的な側面が大きいのがインサイドセールスの特徴です。

テレアポの具体業務内容

ここでは、テレアポでは実際にどのような業務を行っていくのかを解説していきます。

大きく分けて以下の5つが挙げられます。

  • トークスクリプトの作成
  • リストの作成
  • 実際の架電
  • リストへの架電結果記入
  • 架電内容の共有

トークスクリプトの作成

トークスクリプトとは実際の架電の際に話す内容を記載したシートのことです。トークスクリプトの作成により、架電者やタイミングに左右されず安定した架電業務を遂行することができます。

トークスクリプトについては、下記記事にて詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。

テレアポ業務において、トークスクリプトの作成は架電結果を左右する重要な要素です。以下に、テレアポに最適なトークスクリプト例の一部を紹介します。

お世話になります。○○会社の△△と申します。
御社の××業務の効率化の件でお電話させていただいたのですが、今少々お時間よろしいでしょうか。

(はい、の返答があれば)
ありがとうございます。弊社が××業務を効率化して、対応時間を30%短縮する○○システムの開発を行っている会社だったのですが、このシステムで、御社の□□の課題を解決し、△△の効率化をさせていただきたくお電話させていただきました。
御社のお役に立てるものだと自負しておりまして、もしご興味ございましたら、
まずはご挨拶もかねて1度お話させていただきたいのですが、
今月〇日か×日で、30分程度お時間をいただけますでしょうか。

リストの作成

テレアポ業務の中には、架電先を示すリストの作成が含まれているケースがあります。

テレアポを効率良くに行うためには、適切なリストの作成が欠かせません。時には、マーケティング部門や上長が作成する場合もありますが、テレアポ担当者自身が作成することも多いです。

テレアポのリストは以下のようなものになります。

企業名担当者名部署電話番号メールアドレス過去の対応履歴備考
A社山田太郎総務03-xxxx-xxxxyamada@a.co.jp2023/4/1 資料送付決裁権あり
B社鈴木花子経理06-xxxx-xxxxsuzuki@b.co.jp新規リスト

リスト作成の詳細については、下記記事をご参照ください。

実際の架電

作成したリストを基に、実際に電話をかけていきます。

この段階では、事前に用意したトークスクリプトを参考にしながら、相手の反応に合わせて柔軟に対応していくことが重要です。

一般的なテレアポでは1日当たり100件ほどの架電が目標となっています。

1時間あたり15件ほどの架電を行うことを意識して、効率よく行っていきましょう。

リストへの架電結果記入

架電後は、その結果をリストに記録しましょう。主な記入項目としては以下のようなものがあります。

  • 架電日時
  • 応対者(担当者本人か代理の方か)
  • 通話結果(アポイント獲得、不在、担当、資料送付、受付NGなど)
  • 次回アクション(日時、内容)
  • 聴取した情報(企業の課題、競合製品の使用状況など)
  • 備考(相手の反応、特記事項など)

話した内容は、実際に話した内容をそのまま書くようなレベルでメモを残しておくことが重要です。これによって、架電内容を共有する際により詳細な報告が可能になります。

架電内容の共有

架電結果は、上長やマーケティング担当者と共有することが重要です。どのような断り方をされたのか、どういった顧客が多かったのかなど、現場で得られた生の情報は非常に価値があります。

これらのデータは、今後の営業戦略の立案や商品開発にも活用できる貴重な資源となります。定期的にミーティングを行い、情報を共有し、分析することで、より効果的なテレアポ活動につなげることができるでしょう。

テレアポは時代遅れ?新規事業立ち上げ・事業拡大に効果あり

テレアポは時代遅れだと考える人もいますが、実際は新規事業の立ち上げや事業拡大に大きな効果をもたらすことがあります。特に、新しい市場に参入する際や、既存の顧客層とは異なるターゲットにアプローチする場合に有効です。

テレアポを通じて直接顧客と対話することで、市場のニーズや課題をリアルタイムで把握できます。また、製品やサービスの認知度を高め、潜在的な顧客層を開拓することができるでしょう。

効果的なテレアポ戦略を立てることで、短期間で多くの見込み客にアプローチし、ビジネスの成長を加速させることが可能です。詳細については、下記記事をご参照ください。

テレアポのメリット|企業側

テレアポは企業にとって多くのメリットがあります。主なものを以下に挙げます。

  • 顧客の生の反応が得られる
  • 潜在層にアプローチができる
  • 正しい情報を届けることが出来る
  • 実施から効果が出るまでが早い

顧客の生の反応が得られる

テレアポでは、顧客と直接対話することができます。これにより、製品やサービスに対する率直な意見や感想をリアルタイムで聞くことができ、市場のニーズを正確に把握することが可能です。

例えば、IT系の企業であれば、新しいソフトウェアの使いやすさや機能の過不足について直接フィードバックを得られます。

また、顧客の声のトーンや間合いから、言葉では表現されない微妙なニュアンスも感じ取ることができ、製品改善や新サービス開発に活かせる貴重な情報源となります。

潜在層にアプローチができる

既存の顧客だけでなく、これまでコンタクトのなかった潜在的な顧客層にもアプローチできます。新たな市場を開拓する際に非常に効果的です。

例えば、金融商品会社が若年層向けの新製品を出す際、これまで接点のなかった20代前半から30代前半の顧客層に直接アプローチし、製品の認知度を高めることができます。

また、地理的に遠隔地にいる顧客にも容易にリーチできるため、全国規模での市場拡大が可能になります。さらに、テレアポを通じて得た情報を分析することで、新たなターゲット層の発見にもつながる可能性があるのです。

正しい情報を届けることが出来る

テレアポでは、顧客の反応を見ながら情報を提供できるため、誤解を招きにくく、正確な情報を伝えることができます。商品やサービスの特徴を的確に説明し、顧客の理解を深めることが可能です。

例えば、金融商品を扱う企業では、複雑な商品内容や利用条件を顧客の理解度に合わせて段階的に説明できます。

また、顧客からの質問にその場で回答することで、パンフレットやウェブサイトでは伝えきれない細かな情報も提供でき、顧客満足度の向上につながります。さらに、誤った情報が広まるリスクも最小限に抑えられるため、ブランドイメージの保護にも効果的です。

実施から効果が出るまでが早い

他の営業手法と比べ、テレアポは実施してから効果が表れるまでの期間が短いのが特徴です。迅速に市場の反応を確認し、戦略の修正や改善を行うことができます。

例えば、新規事業でサービスの認知度が低くすべて新規での顧客接点になる場合、マーケ施策と違い架電活動をすれば即日反応を集めることができ、上手くいけば商談にもつなげることが出来ます。

これにより、サービスの改善や価格設定の調整を素早く行い、競合他社に先んじて市場ニーズに応えることが可能になります。また、短期間で効果を測定できるため、営業戦略や経営計画の最適化にも役立ちます。

テレアポのメリット|担当者側

テレアポ業務は、担当者にとっても多くの学びや成長の機会を提供します。

  • ビジネス的な話し方が身につく
  • 様々ン業界知識を得られる
  • 営業職につながる能力が身につく
  • 社外に出ることなく稼働できる

ビジネス的な話し方が身につく

テレアポを通じて、ビジネスの場で適切な言葉遣いや話し方を学ぶことができます

例えば、丁寧な言葉遣いや敬語の使い方、相手の立場に立った表現方法などを実践的に身につけられます。また、短時間で要点を伝える能力や、相手の反応に応じて臨機応変に対応する力も養えます。

これらのスキルは、将来的にキャリアを発展させる上で非常に有用となり、プレゼンテーションやクライアントとの商談など、様々なビジネスシーンで活かすことができるでしょう。さらに、電話越しのコミュニケーションスキルは、近年増加しているリモートワーク環境下でも重宝されるため、長期的なキャリア形成に大きく貢献します。

様々な業界知識を得られる

多様な企業や業界の社会人と会話をすることで、幅広い業界知識を得ることができます。

テレアポでは、架電先によって訴求する内容を変える場合、顧客企業について架電前に調べることがあります。これは、ビジネスパーソンとしての視野を広げる貴重な機会となり、市場の動向を把握する力を養います。

この知識は、将来的に異業種への転職や、新規事業の立ち上げを考える際にも役立ちます。さらに、様々な業界の方と話すことで、自身のキャリアプランを考える上でのヒントを得られることもあるでしょう。

営業職につながる能力が身につく

テレアポは、営業の基礎となるスキルを磨く絶好の機会です。顧客のニーズを聞き出す力、商品の魅力を伝える力、断られた際の対応力など、営業に必要な能力を実践的に身につけることができます。

例えば、相手の話を注意深く聞き、潜在的なニーズを察知する傾聴力や、短時間で相手の興味を引くアプローチ力を鍛えられます。また、断られた際のメンタル面の強さなどのメンタルセットが自然と身につきます。これらのスキルは、直接的な営業職だけでなく、顧客対応が必要な多くの職種で活かすことができます。

さらに、数字への意識や目標達成に向けた計画立案能力など、ビジネスパーソンとして不可欠なスキルも養うことができるでしょう。

社外に出ることなく稼働できる

テレアポは主に社内で行われるため、外回りの営業と比べて稼働時間が少なく、効率的に業務を進めることができます。例えば、1日に20件、企業への訪問営業をこなすのは物理的に難しいですが、テレアポであれば数十件、場合によっては100件以上のアプローチが可能です。

また、天候に左右されにくいのも大きなメリットです。豪雨や猛暑の日でも、快適な環境で業務に集中できます。さらに、移動時間がないことで、体力的な負担が少なく、長時間の集中力を維持しやすいというメリットもあります。

近年のテレワーク推進の流れにも合致しており、地方在住者や育児中の方など、多様な働き方を求める人材にとっても魅力的な業務形態といえるでしょう。

テレアポが上手い人の特徴は?

最後に、テレアポが上手い人の特徴をご紹介します。ここでは、代表的な3点をピックアップしました。

  • 話し方やトーンまで調整している
  • 気持ちの切り替えが早い
  • 心理学を取り入れたテクニックを使っている

話し方やトーンまで調整している

テレアポが上手い人は、相手に合わせて話し方やトーンを柔軟に調整します。企業規模や架電先担当者の立場によって、適切なコミュニケーションスタイルを選択することが重要です。

例えば、大企業の役員クラスに電話をする際は、より丁寧な話し方を心がけましょう。

一方、中小企業やベンチャー企業の同クラスの担当者に電話をする場合は、親しみやすさを意識しつつ、リスペクトを込めた対応が効果的です。

大企業役員向け:「お忙しいところ大変恐縮ではございますが、弊社の新サービスについてご説明させていただきたくお電話させていただきました。今、2~3分お時間いただいてもよろしいでしょうか。」

中小企業オーナー向け:「お世話になります。弊社の新サービスについてのお電話になりまして、○○様の会社にもきっとお役に立てると思いまして、ご連絡させていただきました。今、2~3分お話お伺いしてもよろしいでしょうか。」

気持ちの切り替えが早い

テレアポ業務では、断られたりネガティブな反応を受けたりすることも少なくありません。優秀なテレアポ担当者は、そのような状況でも気持ちの切り替えが早いのが特徴です。

確かに、つらいと感じることもあるでしょう。しかし、一つの電話での結果に一喜一憂せず、次の電話に向けて前向きな姿勢を保つことが重要です。このスキルは、ビジネスの様々な場面で役立つ重要な能力といえるでしょう。

心理学を取り入れたテクニックを使っている

効果的なテレアポには、心理学の知見を活用したテクニックが役立ちます。

例えば、「フット・イン・ザ・ドア」で顧客から細かいYESを引き出すことでアポ取得率を高めたり、選択肢を敢えて少なくする「分析麻痺」によって効果的なネクストアクションに繋げたりすることが挙げられるでしょう。

心理学的アプローチの詳細については、下記記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

まとめ

テレアポは、単なる単調作業ではなく、企業の成長戦略において重要な役割を果たす業務です。適切な準備と継続的な改善により、効果的なテレアポ活動を実施することができます。

また、テレアポ業務は担当者にとっても、ビジネススキルを磨く貴重な機会となります。コミュニケーション能力や営業スキルの向上は、将来のキャリア形成にも大きく寄与するでしょう。

一方でテレアポは個人への負担が大きいことや社内でリソースが確保できないことが、多くの企業で課題になっています。

我々は、これまで200社以上の営業支援、マーケティング支援を実施してきた経験を活かして、企業の営業活動や販路拡大のご支援をさせていただいております。

新規営業をする際にどんなターゲットにどんな営業活動をしていくかなど、アポイントを取る際のトークスクリプトの型化などをさせていただいております。なにかご要望がある場合には弊社も一緒に伴走させていただきますのでよろしくお願いいたします。

弊社関連サービス
法人営業代行
営業ターゲットのリストアップから、テレアポ、訪問営業、クロージングに至るまで、新規開拓営業の全てのプロセスを営業代行するサービスです。