インサイドセールスとテレアポの違いとは?役割や業務内容、効果的な組織方法について徹底解説

「インサイドセールス」と「テレアポ」は、どちらも顧客獲得を目的とした営業手法ですが、その役割や業務内容、組織方法には大きな違いがあります。

ここでは、インサイドセールスとテレアポの特徴を比較し、それぞれの適した活用場面や企業・商材に応じた選定基準、インサイドセールスを導入することで得られるメリットなどついてご紹介します。

インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、電話やメール、オンラインツールを活用して、**リモートで顧客とコミュニケーションを図り、商談や契約を非対面で進める営業手法です。**従来の訪問営業とは異なり、オフィスから効率的に複数の顧客にアプローチできる点が特徴です。

マーケティング活動で得たリード顧客や作成した企業リストに対し、適切なタイミングで電話やメールを通じてアプローチし、見込み客をフィールドセールスに引き渡します。これにより、営業プロセスが効率化され、商談成約率の向上が期待できます。対面での接触を最小限に抑えながら、効果的に見込み客を発掘し、商談を進めることが可能です。

インサイドセールスについて詳しくはこちらでもご紹介していますのでご覧ください。

https://www.salesandinnovation.jp/salesinsight/059-insidesales-summary

インサイドセールスには「インバウンド」と「アウトバウンド」という2つのアプローチがあります。

  • SDR(インバウンド)
  • BDR(アウトバウンド)

インバウンドは、既に興味を示しているリードへの対応に特化し、商談までのリードナーチャリングを重視します。 アウトバウンドは、顧客からの接触がない状態で、企業側から積極的に接触し、見込み客を獲得することが目的です。 このように、インバウンドとアウトバウンドは顧客アプローチの起点が異なり、それぞれの役割も異なるため、商材や営業戦略に応じて使い分けることが重要です。

SDR(インバウンド)

SDR(Sales Development Representative)は、顧客側からの問い合わせや関心を起点にアプローチする手法です。

ウェブサイトやコンテンツマーケティング、広告を通じて興味を持った見込み客に対応し、問い合わせや資料請求などを受けたリードに対して迅速かつ適切にフォローアップを行います。リードの見込み度合いを確認し、商談に繋がるタイミングで営業チームに引き継ぐことが主な役割です。

BDR(アウトバウンド)

BDR(Business Development Representative)は、企業側から積極的に潜在顧客へアプローチを行う手法です。

企業が保有するリストやマーケティングリサーチを基に、まだ接触のない新規顧客に対して電話やメールを通じてアプローチし、商談機会を創出します。新規顧客の開拓や潜在顧客への接触を担当し、営業チームに繋ぐためのリードを獲得することが主な役割です。

テレアポとは

テレアポ(テレフォンアポイントメント)とは、電話を通じて顧客にアプローチし、商談機会を設定する営業手法です。主に新規顧客の獲得や既存顧客との関係強化を目的に、コールドコールを中心に行われます。

電話で顧客の関心を引き出し、商品やサービスを紹介しながら商談やアポイントを設定するため、短時間で多くの顧客にアプローチできるのが特徴です。新規顧客開拓や既存顧客へのアプローチ、販売促進の手段として効率的に活用され、顧客のニーズをヒアリングすることで商談成功率を高めるための情報収集にも役立ちます。

テレアポについて詳しくは以下の記事でご紹介してますのでご覧ください。

インサイドセールスとテレアポの違い

インサイドセールスとテレアポは、どちらも電話での営業活動ですが、目的やアプローチ方法、業務内容に大きな違いがあります。

インサイドセールステレアポ
配置人材多様なスキルセットを持つ人材比較的経験の浅い人材
営業活動としての役割見込み顧客と関係を構築し商談に繋げるアポイント獲得や情報収集など
業務内容リード育成アポイント獲得や簡単な情報収集
成果指標成果に直結した指標量的な指標
スクリプト柔軟性があり、顧客のニーズに応じたスクリプト効率的に情報を伝達するスクリプト

配置人材

どちらも営業担当で構成されていますが、インサイドセールスは、多様なスキルセットを持つ人材で構成され、マーケティングと営業をつなぐ役割が求められます。

一方、テレアポは、コールドコールを通じて商談機会を直接創出するため、特定のスクリプトに従い、電話でのコミュニケーションスキルに特化した人材で構成され、幅広い顧客層に効率的にアプローチします。

適した人材

インサイドセールス:比較的経験のある営業職や、デジタルツールに精通した人材が多い

テレアポ:未経験者や短期アルバイトなど、比較的経験の浅い人材が多い

営業活動としての役割

インサイドセールスは、マーケティングを活用して顧客のニーズをヒアリングしながらリードを育成し、適切なタイミングでフィールドセールスに商談を引き継ぐ役割を担います。

一方、テレアポは、アポイントメントの設定を主目的とし、商談機会を直接創出することに重点を置いています。

インサイドセールス:電話やメール、Web会議などのオンラインチャネルを活用して、見込み顧客と関係を構築し商談に繋げる

テレアポ:主にアポイント獲得や情報収集など、初期段階の役割が中心

業務内容

インサイドセールスは、電話やメール、チャット、オンラインミーティングツールを駆使して、リードの育成やナーチャリングを行い、見込み度合いが高まった顧客をフィールドセールスに引き継ぎます。

テレアポは、電話を通じて短時間で多くの顧客にアプローチし、商談アポイントを獲得することが業務の中心です。

インサイドセールス:電話、メールなどのツールを使用し、リード育成を行う テレアポ:主に電話を使用し、アポイント獲得や簡単な情報収集を行う

成果指標

インサイドセールスは、リードの質や商談につなげた件数などが成果指標です。商談成約率や売上に貢献することが評価されます。

テレアポは、主にアポイント獲得数や通話件数、アポイント設定率が成果指標となります。

インサイドセールス:商談数、成約率、売上高など、より成果に直結した指標 テレアポ:架電数、アポイント獲得数など、主に量的な指標

スクリプト

インサイドセールスは、顧客ごとのニーズや状況に応じたカスタマイズされたコミュニケーションが求められるため、柔軟で多様なシナリオを想定したスクリプトが必要です。

これに対し、テレアポは、多くの顧客にアプローチするため、効率性を重視し標準化されたスクリプトに基づいて話を進めるのが一般的です。

これらの違いから、インサイドセールスは長期的なリード育成を重視し、テレアポは短期的な商談機会の創出に特化していると言えます。

インサイドセールス:柔軟性があり、顧客のニーズに応じて対話を展開

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テレアポ:比較的固定的なスクリプトを使用し、効率的に情報を伝達

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商材・企業別インサイドセールスとテレアポの選定基準

商材や企業によって、インサイドセールスとテレアポのどちらが適しているかは異なります。各手法の特性を理解し、自社の商材やビジネスモデルに最適な選定基準を設けることが成功への鍵です。ここでは、商材の種類や企業の特性に応じたインサイドセールスとテレアポの選定基準について詳しく解説します。

  • インサイドセールスが向いている企業・商材
  • テレアポが向いている企業・商材

インサイドセールスが向いている企業・商材

インサイドセールスに向いている企業・商材は下記のような企業・商材です。

  • B2B商材サービスの提供企業
  • IT・ソフトウェア業界
  • SaaSサービス企業
  • 金融・保険業界
  • 教育・研修サービス
  • オンラインセミナーやウェビナーと連動した製品
  • 複数回の接触が必要な商材
  • リモートで完結できる商材

上記のような企業の特徴は、

  • 導入や購入までに長期間の検討が伴う商材
  • 見込み客に対してスムーズに価値を伝えられる商材
  • 専門的な説明やカスタマイズ提案が必要な商品
  • 非物理的なサービス
  • 販売サイクルが長く、複数のタッチポイントを必要とする商材
  • オンラインでの提案やデモンストレーションが可能な製品やサービス

インサイドセールスに適しているのは、一度のアプローチだけでは十分に説明できない複雑なサービスや、顧客の購買タイミングが限定される商材です。また、オンラインでのデモンストレーションや、継続的なフォローアップが求められる業界にも向いています。

特に、顧客の意思決定プロセスが長期的で、複数のタッチポイントを通じて信頼関係を築く必要がある場合、インサイドセールスはその柔軟なアプローチを活かし、効果的にリードを育成しながら、商談を成約へと導くことが可能です。

テレアポが向いている企業・商材

テレアポはに向いている企業・商材は下記のような企業・商材です。

  • B2C向けの商品やサービス
  • 比較的単価の低い商品やサービス
  • シンプルで説明が容易な商材
  • 大量のリード獲得が必要な業種
  • 短期的な成果を求める場合
  • 認知度向上や市場調査が目的の場合
  • アフターフォローや顧客満足度調査
  • 定期的な更新や契約更新が必要な商材
  • 地域密着型のサービスや商品

上記のような企業の特徴は、

  • 複雑な説明が不要で、電話での短時間の会話で理解を得やすい商材
  • 短時間の通話で説明が可能で、即決を促しやすいサービス
  • 短期間で効率的に多くの顧客にアプローチし、即時の反応を得やすい商品
  • 多数の対象者に短時間で接触し、情報を収集できるサービス
  • 既存顧客に対して定期的にアプローチし、更新を促すことができるサービス
  • 特定の地域の顧客に効率的にアプローチできるサービス

テレアポは、短期間で大量の顧客にアプローチできる点が強みであり、特にB2Cビジネスやシンプルな商材に適しています。また、地域や特定のターゲットにフォーカスしたアプローチにも効果的です。

テレアポをインサイドセールスに変えた際のメリット

テレアポからインサイドセールスに変えることで、営業活動におけるさまざまなメリットが期待できます。

ここでは、テレアポをインサイドセールスに変えることによる具体的なメリットについて詳しく解説し、通電率の向上や商談成約率の向上、営業成績のコントロール精度向上など、営業活動の効率化と成果改善にどのように寄与するかを探ります。

  • 通電率の向上
  • 商談成約率の向上
  • 営業成績・売上コントロール精度の向上

通電率の向上

テレアポは、いわゆる「コールドリスト」へのアプローチが中心であり、初めての接触が多いため、顧客と連絡を取るのが難しく、通電率が低くなりがちです。一方、インサイドセールスは、展示会や問い合わせから得たリストを活用し、興味を持つ顧客にアプローチするため、通電率が高まります。

さらに、インサイドセールスでは、電話に加えてメールやオンラインミーティングなどの多様なコミュニケーション手段を活用できるため、顧客との接点が増加し、結果としてより多くの見込み客と効果的にコミュニケーションを取ることが可能です。これにより、商談機会が増え、営業成果の向上にもつながります。

インサイドセールス:100件架電中 20件接触 3件アポ
テレアポ:100件架電中 10件接触 1件アポ

商談成約率の向上

テレアポでは、アポイントを取ること自体が目的となりがちで、勢いや挨拶程度でアポを設定してしまうことがあります。そのため、顧客の状況やニーズを十分に確認しないまま商談に臨むことになり、結果として「挨拶だけだと思っていた」「とりあえず話を聞くだけ」といった状況に直面し、商談の成果が得られないことも少なくありません。こうしたケースでは、商談自体が形式的になり、成約に結びつきにくくなってしまいます。

一方で、インサイドセールスは、商品やサービスに対する深い知識を持ち、顧客のニーズや課題に応じた提案力を発揮することが求められます。顧客とのコミュニケーションを通じて、適切なタイミングでのアプローチができるため、質の高い商談が実現します。これにより、単にアポイントを取るだけでなく、商談の成功率が大きく向上します。加えて、インサイドセールスは顧客の状況をしっかりと把握した上で商談に臨むため、顧客の期待に応える提案が可能になり、成約率の向上が期待できるのです。

このように、インサイドセールスは単なるアポ取りに留まらず、商談の質を重視するため、結果として高い成約率を実現できるアプローチといえます。

営業成績・売上コントロール精度の向上

テレアポは、アポイントの獲得と商談設定を主な目的とするため、成約率やアポイント率が不明瞭になることがよくあります。コールドコールでのアプローチが中心であるため、顧客のニーズや関心を事前に把握しにくく、結果として商談に至っても成約に結びつかないことが多く、営業活動が予測しづらくなる傾向があります。

一方で、インサイドセールスはデータ分析に基づいたアプローチを行うため、売上予測の精度が格段に向上します。顧客の行動履歴や関心、ニーズを把握した上で、リードを継続的に育成し、適切なタイミングでフィールドセールスに引き渡すことで、商談から成約に至る確率が高まります。

このプロセスにより、インサイドセールスでは営業活動が計画的に進められ、運に左右される要素が少なくなります。

さらに、インサイドセールスはリードの数や質を詳細に管理しているため、売上や営業成績の予測も正確に行えます。もし成績を上げたい場合、育成済みのリードを多くトスアップすることでアポイント数や商談数を増やすことが可能です。

この柔軟性とデータに基づくコントロールによって、インサイドセールスは月次の売上目標や営業成績をより細かく管理できるようになり、成約率やアポ数が不明瞭になりがちなテレアポと比較して、はるかに効率的で精度の高い営業活動を実現します。

インサイドセールスチームがテレアポチームになってしまうことを防ぐためには

インサイドセールスチームを構築する際、リード育成や顧客ニーズに基づく提案といった本来の役割に集中させることが重要です。しかし、アポイント獲得だけに注力してしまうと、結果的にテレアポチームと化してしまうリスクがあります。

ここでは、インサイドセールスが本来の役割を果たし、テレアポ化しないための具体的な対策を解説します。

  • メールやフォームなどを駆使する
  • 商談・成約を意識したスクリプトを作成する
  • 行動数だけではなく成約数や売上をKPIにする
  • ヒアリング項目を用意する

メールやフォームなどを駆使する

電話営業のみでアプローチを行うと、インサイドセールスがテレアポのような活動に偏ってしまうリスクがあります。

これを避けるためには、メール営業や問い合わせフォーム、SNSなど、複数の営業手法を組み合わせて活用することが重要です。これにより、見込み客との多角的なコミュニケーションが可能となり、リード育成や顧客理解が深まります。

さらに、営業担当が商談やイベントで交換した名刺情報を活用し、過去に接触のあった顧客へも継続的にフォローアップを行うことで、より質の高い商談機会を創出できます。電話だけでなく、顧客の行動履歴や興味関心を考慮したアプローチを心がけることで、効果的な営業活動が可能となります。

商談・成約を意識したスクリプトを作成する

テレアポで使用するアポイント獲得用のスクリプトは、不特定多数の顧客に対して効率的にアプローチすることができますが、各顧客の状況やニーズに合わせた提案は難しく、どうしても画一的な対応になりがちです。その結果、商談後の成約率が低くなることもあります。

一方、インサイドセールスでは、顧客のニーズや課題を丁寧にヒアリングし、そのステージに応じたカスタマイズされたスクリプトを用いてコミュニケーションを行います。これにより、顧客が抱える具体的な問題やニーズに対して適切な提案を行うことができ、商談に結びつけるための重要な情報を引き出すことが可能です。顧客に合った提案ができるため、商談後の成約率も高く、長期的な関係構築にもつながります。

行動数だけではなく成約数や売上をKPIにする

架電数やアポイント獲得数といった短期的な行動数だけをKPIに設定すると、アポイントを取得することには成功しても、その後の商談成約や売上につながらない場合があります。これは、単に数を追うだけでは、顧客のニーズに応じた質の高い提案が欠け、結果的に成約率が低下する可能性があるためです。

そのため、KPI設定にはアポイント数などの短期的な行動指標に加えて、成約数や売上といった長期的な成果も重視する必要があります。これにより、短期的な成果だけでなく、商談の質や顧客との関係構築に焦点を当てることができます。

さらに、量的な指標に加えて質的な指標も考慮することで、より成果を意識した活動が促進されます。具体的には、商談の質や顧客満足度、提案の適切さなどを測定することで、単なる数値目標を超えた価値ある成果を追求することが可能です。このように、短期的な行動指標と長期的な成果指標のバランスを取ることで、より効果的な営業活動が実現できます。

ヒアリング項目を用意する

インサイドセールスでは、次に行われる商談の成功に向けて、顧客の課題や要望を深く掘り下げるためのヒアリング項目を事前に準備することが重要です。これにより、商談の質が大幅に向上し、顧客のニーズにより適切に応じた提案が可能となります。

また、ヒアリング項目を準備することで、顧客との対話がスムーズに進み、重要な情報を逃すことなく効率的に商談を進めることができます。顧客の期待に応えるためには、事前の準備が鍵となり、質の高い商談を実現するための強力なツールとなります。

具体的には、顧客の業務課題やビジョン、現在の取り組み状況などを詳細に把握するための質問項目を用意します。これにより、商談時には顧客の状況に応じた具体的なソリューションを提案することができ、より実質的な議論が進むことになります。

まとめ

インサイドセールスとテレアポは、どちらも非対面での営業活動ですが、その役割や業務内容、求められるスキルセットには大きな違いがあります。企業は自社の商材や営業戦略に合わせて、適切な手法を選択することが重要です。

インサイドセールスとテレアポの違いを理解し、自社の商材や目標に応じた適切なセールス手法を選定することで、営業活動の効率と効果を最大化することができます。

弊社は88業種200以上のサービスを支援してきた、11期目の営業代行の老舗です。貴社の営業活動のお悩みの解決にお力添えさせていただきます。インサイドセールスやテレアポに課題がある企業様はお気軽にご相談ください。

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