企業が営業代行を活用しようと思った場合、どのようなタイミングで営業代行を使うと最も効果的なのでしょうか。営業代行というと営業のなんでも屋のように捉えられがちですが、実際にはプロダクトライフサイクルごとに営業代行会社が担うべき役割は少しずつ異なります。営業代行会社に営業代行を依頼する企業のために、今回は、導入期、成長期、成熟期、衰退期というプロダクトライフサイクルのうち、導入期における営業代行会社の役割と活用方法についてご紹介します。
導入期で選ぶべき営業代行会社の特徴
製品の導入期というのは、まだその製品が市場に十分に認知されていない時期であり、売上が少ない割に、様々なコストがかかる時期でもあります。製品を市場に投入しては、市場の声を収集し、どのような売り方をすれば市場に受け入れられるか、様々なチャレンジをすることが求められる時期とも言えるでしょう。
このような時期における営業代行の役割は、
1. 市場の声を正確に収集すること
2. 収集した情報を元に、製品の成功に向けたピボットを繰り返す手助けをすること
にあります。単に台本通りにたくさん電話をかけられるとか、強力なクロージング力はそれほど重要ではなく、客観的で正確な情報を市場から数多く収集し、製品を成長に導く力が求められます。
そのため、自社の製品が導入期にある企業が営業代行会社を選ぶ際は、新規事業の立ち上げ経験がある会社や、トレーニングされた正社員が営業代行する会社を選ぶことが望ましいでしょう。そういった会社は、新しい製品を市場に浸透させていく手法について理解していることが多く、従業員もしっかりとトレーニングされています。コストがかかり無駄な失敗をすることができない導入期における営業代行の活用は、単なる営業リソースの外注という意味以外にも、失敗で遠回りしないための時間を購入するという意味合いも持っています。
導入期で営業代行会社に依頼する際の注意点
ただし、導入期における営業代行の利用において、注意すべきことが一つだけあります。
採用もままならない導入期において、このような営業のプロが自社の営業を手伝ってくれるのは非常に心強いことではありますが、導入期においては、成果報酬で営業代行を受けてくれる会社は非常に少ないと考えておいた方がよいでしょう。弊社Sales and Innovation Japanの場合も、導入期における新規事業については、よほどのことが無い限り、固定フィーをいただくことをお願いしています。採用広告費や採用した営業員をマネジメントする手間が省けると考えれば、固定費でフィーを支払っても十分元が取れる可能性はあるのですが、とは言えこの固定費を捻出するのが製品導入期の企業にとっては一つ目のハードルとなっているようです。そのため、実際に導入期で営業代行を導入する企業は、予算のある大手企業の新規事業部門か、シリーズA以降のスタートアップが多いように感じます。
導入期においては、いかにコストを圧縮して、事業を成長フェーズに持っていくかを死に物狂いで考えなければいけないわけですが、そんなときに、うまくいくか分からないのに固定費でフィーを支払うことを求められるのは発注元企業にとっては酷かもしれません。しかし、営業代行を単なる営業員の代替要員と考えるのではなく、事業成長のパートナーと捉えて事業を成長フェーズに持っていくための貴重な情報と知見を収集できると考えれば、検討する価値は十分あるでしょう。
さいごに
市場導入期においては、事業責任者が営業とマーケティングを行っているケースがほとんどでしょう。ただ、事業立ち上げにおいては、営業やマーケティング以外に取り組まなければいけないタスクは山ほどあります。資金に余裕があるのであれば固定費を支払ってでも事業パートナーとしての営業代行会社の利用を検討されてみてもいいかもしれません。
実際、Sales and Innovation Japanの顧客にも、ゼロから市場を一緒に作り上げ、業界ナンバーワンのシェアを獲得することに成功したクライアントもいらっしゃいます。ぜひ、参考にしてください。