営業目標とは、会社やチームが一定期間内に達成したい売上や利益の目標のことです。 よく、チームでの目標はあるが個人の営業目標は各自で設定するように指示されることがあります。 こんな時どう目標設定をするべきかわからないことがあるのではないでしょうか。 ここでは営業目標の設定の目的、設定の仕方、もし達成できなかった時の対処法をお伝えします。
目次
営業目標を立てる目的
営業目標を立てる理由はいくつかありますが、組織全体の方向性を統一するためです。
「チーム目標は10人で新規契約50件」と言われ、上長から「個人の目標を立てろ」と言われると、「割り当てられた分の新規契約を5件取る」や「先月より契約を取れるように頑張る」など漠然と立てる人がいます。
ですが、この目標設定方法だと月末になって目標達成できなかったという人が出てきます。
そうするとチーム全体の目標の達成ができなくなってしまいます。
個人の目標設定はチームの目標設定より明確に設定することによりチーム全体の目標達成ができるようになります。
目標はSMARTの法則に則って立てる
営業目標は重要なことですが、ただ個人の営業目標を立てても達成可能な目標は立てられません。 個人目標を立てるときは、SMARTの法則を元に設定をしましょう
SMARTの法則とは、1981年に経営管理や組織運営の分野で活動していたビジネスコンサルタントのジョージ・T・ドランによって提唱された目標設定法です。
SMARTの法則は「Specific」、「Measurable」、「Achievable」、「Relevant」、「Time-related」の5つの要素から構成されています。
S(Specific):具体的な目標
目標が抽象的な場合、その目標を達成させるまでに、ずれやブレが発生してしまいます。
目標の設定をするときは「何を達成したいのか?」がはっきりしている必要があります。目標は具体的な数字や期限を設定しましょう。
悪い例 | ・売上を増やす |
良い例 | ・月に5件の新規契約を取る |
M(Measurable):計測できる目標
目標は進捗状況や達成度を数値化できるものであるべきです。
目標を立てる時は「〇〇をする」や「勉強をする」など抽象的な目標ではなく、数値や期限、具体的な測定ができる数値を設定しましょう。
悪い例 | ・売上を増やす ・アポ数を先月より増やす |
良い例 | ・売上、前月から10%UP ・アポ数月20件 |
A(Achievable):実現可能な目標
「勉強はしてないけど2ヶ月後に〇〇の資格を取る」「とりあえず3ヶ月で100万円貯める」「会社で営業成績1番を今月取る」など、一見実現可能かもしれない目標ですが、大きすぎる目標や達成できる算段が立っていない目標は達成前にモチベーションが下がってしまいます。 目標は成功できる現実的な数値を設定して成功体験を積みましょう。
悪い例 | ・国家資格の〇〇をとる ・全社営業担当の中で成績1位 |
良い例 | ・半年後の資格試験突破 ・半年以内に関東営業所内成績1位、1年後には全国1位 |
R(Result oriented):意味のある目標
チームが「今月はチームで新規契約10件」と目標設定したのに「自分はアポを頑張って取る」や「とりあえず1件新規契約を取ろう」などの個人目標を設定した時、個人目標は達成できても、チーム全体の目標に到達できないことがあります。
自分自身だけの目標はとても大事ですが、チームや会社の目標とズレが生じるとどちらの目標も達成ができなくなってしまいます。
チームの目標と関連する内容を設定しましょう。
悪い例 | ・自分はアポ15件目標 |
良い例 | ・チーム目標新規成約10件、5名チームなので個別目標2件、個人としては3件成約目標 |
T(Time-bound):期限がある目標
目標には期限を設けましょう。
ただ「資格を取る」「アポ率を良くする」「売上を10%アップさせる」だけだといつか達成させればよくなり、目標を達成させることができません。
明確に期限を設けることで目標への進捗管理や日々の行動の修正ができます。
悪い例 | ・売上を10%アップさせる |
良い例 | ・売上を2ヶ月で10%アップさせる |
悪い例
- 売上を増やす
- 契約を先月より取る
- ロープレをする
- 〇〇の資格を取る
良い例
- 月に5件の新規契約を取る
- 次の四半期で10%の売上増加を達成する
- 日2件アポ獲得、月35件アポ獲得する
- 新規契約数を増やすために商談のロープレを毎日行う
- 〇〇の資格のために毎日1時間勉強して〇月〇日の試験を受ける
新人の営業目標の立て方
ここまではどんな人にも当てはまる目標の立て方でしたが、より成果を出したい、今すぐ成長したいと感じている新人営業担当の方は次の項目も踏まえて目標設定をすると良いでしょう。
- ちょっと頑張れば達成できる目標設定をする
- 行動量の目標設定
- 営業の型を完コピする
- 商品を完璧に覚える
ちょっと頑張れば達成できる目標設定をする
目標は困難なものを設定するとどうしても叶いづらくなってしまいます。 目標を設定するときは「ちょっと頑張る」で達成する目標を設定しましょう。
「ちょっと頑張る」とは、
- 毎日苦手な業界に10件営業電話をかける
- 資格取得のために昼休みに15分勉強する
「ちょっと頑張る」と達成できる目標は、達成できたという勝ちグセをつけることができます。
行動量の目標設定
「毎月100万円の売れ上げを上げる」という目標はとても素晴らしいですが、売上だけの目標だとどうしても達成できない可能性があります。
まずは行動量の目標を立てましょう。
・1日100件(達成可能なちょっと頑張る件数)架電する ・1日50件飛び込み営業をする
営業の型を完コピする
営業職にとって営業は仕事をしている間ついて回るものです。 1ヶ月だけの成績を伸ばすためなら、自己流でがむしゃらに営業しても成績は出ると思います。ですが長く仕事として行う場合はそうも行きません。
自己流でやってもうまくいくまでに時間がかかりますし、間違った情報や方法で営業をしてしまい、余計に時間がかかってしまうかもしれません。無駄な時間をかけないためにも、先輩や上司から売れるトークやクロージングの型を教わり完コピをするようにしましょう。
商品を完璧に覚える
営業にとって一番大切なのは、自分が営業する商品・サービスです。
商品・サービスの説明がちゃんとできないといくら営業力があっても、お客様に買ってもらうことはできません。
商品・サービスの知識は正確な内容を完璧に覚えましょう。もちろん契約書類の内容も不備なく覚えましょう。
より具体的な目標の立て方
ここまでは目標設定の目的と立てる時のポイントをお伝えしてきましたが、より具体的な目標の設定方法をご紹介いたします。
目標の設定
架電数:100件
コンタクト数:15件
アポ数:5件
商談:4件
成約:2件
KGI
KGIとは「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」とも呼ばれます。プロジェクトの成功を評価するために使用される基準です。営業でのKGIは売上や成約数がKGIとなります。
- 月の売上100万円
- 成約数50件
- 前月売り上げより売り上げ10%UP
KPI
KPIとは「Key Performance Indicator」の略で「重要業績評価指標」とも呼ばれます。組織やプロジェクトのパフォーマンスを評価するための具体的な指標です。KPIはKGIで設定した数値を達成するための目標を設定しましょう。
- 新規顧客への営業電話数を10%増やす
- 受注までの期間を2カ月から1カ月に短縮する
- 1日の架電数を80件から100件に増やす
成果目標
組織の目標(売上) | 月1000万円の売り上げ |
自分の目標(売上) | 100万円の売り上げ |
架電数 | 1日120件 |
アポ数 | 1日2アポ |
成約 | 週1件 |
行動目標
架電数 | 現在1日平均80件なので月の上旬までに1日100件、中旬までに1日120件まで架電数を増やす。 |
担当コンタクト数 | 通電から担当者へのコンタクト数が5%ほどなので、スクリプトの変更をして10%までコンタクト数を増やす |
アポ数 | 売り上げ目標に対する成約数は5件。成約率が7%ほどなので、アポ数は40件目標で獲得する。 |
目標が達成されない場合の対処法
目標を設定して達成に向けて行動をしていてもどうしても達成できないことはあります。達成ができない可能性が出てきた時はKGIやKPIの再確認だけでなく、他に問題がある可能性があります。
・行動数を増やすだけで解決しない
・そもそも達成可能な目標になっていない
・営業KPIのPDCAが回っていない
行動数を増やすだけで解決しない
目標を設定する際「1日2アポイントを取る」と設定しアポ数を達成するときに必要な架電数が300件が想定された時、1時間の架電数が38件です。架電数のみ見れば実現は可能な架電数です。ですがいざ行動してみた時どうしてもアポイント数の目標が達成できません。
この場合、架電数を増やすのは現実的ではありません。この場合改善するのはコンタクト率とコンタクト後のアポ率です。
行動数を増やすだけでは解決しないこともあります。どうしても目標達成が難しいと分かった時は必ず立ち止まってKPIの見直しやスクリプトなどの改善を行いましょう。
そもそも達成可能な目標になっていない
行動数やスクリプト、提案資料などを見直しても目標への数字の改善がされない時、そもそも達成可能な目標なのかを確認してみましょう。
そもそも設定されている目標を達成できるだけの予算や人員、期間が設定されていない場合、どれだけ頑張っても目標達成は難しくなります。
営業KPIのPDCAが回っていない
KPIを設定するのに労力を費やしたため、その後のPDCAをうまく回せないことがあります。KPIを達成できるように設定するのはもちろん、日々PDCAを行い営業目標の乖離を起こさないように改善を行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
営業における目標は、会社の成長に欠かせない重要な要素です。そして、会社を成長させるためには、個々の成長が不可欠です。
目標は自己成長にとっても必要不可欠なものであり、上手に設定することで、自身の成長を促進する助けとなります。それでも上手くいかないときは、弊社にご相談ください。
我々は、これまで200社以上の営業支援、マーケティング支援を実施してきた経験を活かして、企業の立ち上げや販路拡大のご支援をさせていただいております。新規営業をする際にどんなターゲットにどんな営業活動をしていくかなど、アポイントを取る際のトークスクリプトの型化などをさせていただいております。なにかご要望がある場合には弊社も一緒に伴奏させていただきますのでよろしくお願いいたします。
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早稲田大学卒業後、コンサルティングファームを経て、
株式会社Sales and Innovation Japanにジョイン。
大手スキマバイトアプリの営業活動や、ITシステム事業の営業支援に従事。
現在、ウェビナー&コンテンツマーケティング事業「triggerr」の立ち上げに奮闘。